• 2018年5月25日(金) 松竹大歌舞伎 西コース 製作発表 片岡愛之助コメント

2018年5月25日(金)
松竹大歌舞伎 西コース 製作発表
片岡愛之助コメント

〈ご挨拶〉

 本日はお暑い中、こんなにたくさんお集まりくださいまして、ありがとうございます。
 今回この(公文協松竹大歌舞伎)50周年という節目の年に、座頭で勤めさせていただくこと、非常にありがたく思っております。
 私、巡業は大好きなんです。いろいろなところにトークショーなどで伺うことがあり(歌舞伎は一人ではできないので、いつもトークショーだけになってしまうのは申し訳ないのですが)、いつも大勢のお客様にお越しいただきます。お芝居だけを観るために、東京や名古屋、大阪へお出かけなさるのはとても大変だと思うので、私たちが大都市ではないところへも伺ってお芝居をさせていただくことで「うちの市民会館でやってくれるんだな。」と思っていただくと、お客様は敷居を高く感じられないそうでございます。そういう意味でも巡業というのは非常に大切なものだと思っておりますので、今回このように回らせていただき、(出身の関西地域も含めた)西コースという事で、非常に嬉しく思っております。
 前回の巡業で回らせていただいた時もそうだったのですが、初めて歌舞伎をご覧になるお客様も多いと思います。「歌舞伎って難しいな、よくわからないな」と言われるのは、長い演目の一部だけを抜粋して上演されることが多いので、前後の人間関係やストーリーが分かりづらいためだと思います。そこで今回、「道行 (道行初音旅)」から上演させていただくことにより、よりわかり易くなるのではないかと思って提案させていただきました。しかし大変だということを全く考えずに、気がつくと昼夜二回公演の日もありました。体の方もしっかり鍛えて、しっかり巡業に備えて、勤めさせていただきたいと思います。

〈役について〉

「吉野山(道行初音旅)」の佐藤忠信は舞踊会や色々な公演で何度か勤めさせていただいたことがあります。
()(きり)(川連法眼館)」の方は初役でございまして、今回(「吉野山」から)続けて勤めさせていただくというのは本当にありがたいことです。興味はありましたし、(役者だったら誰でも思う事だと思いますが)ずいぶん前からいつか勤めたいお役でした。忠義の心や親子の情愛など、非常によく描かれていますので、初めて歌舞伎をご覧になる方にもわかりやすい演目だと思います。

〈出身の関西も含めた.西コースについて〉

 私は上方の役者なので、上方に軸を置きながら様々な所へ出させていただいているのですが、最近は東京の公演が続いているためなかなか関西への出演がなかったものですから、非常にありがたく嬉しく思っております。